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2025年07月07日

お城の再建

現在、お城(天守閣、櫓ほか)を再建しようと活動している自治体等があります。

現在、お城を建てる場合に、その本来の主たる機能である当該地域の防衛のためのいう機能は該当しませんから、その機能、意味付けは、地域の統合のためのモニュメント、地域の歴史の顕彰、観光振興などといったことになるかと思います。

その場合、お城は、どのようなものを建てるのが良いのでしょうか。

現在、お城(天守閣)は、現存天守、復元天守、復興天守、模擬天守に分けて捉えることができます。

現存天守というのは、建てられた当時から現在まで残っているものです。現在、現存天守は12しかありません(姫路城、松本城など)。

復元天守というのは、かつて天守があった場所に外見も内部も往時と同じ姿で再建したもの(白河小峰城、大洲城など)、及び、外観は往時と同じようにしつつ、鉄筋コンクリート造りのもの(外観復元天守・名古屋城、熊本城など)をいいます。

復興天守というのは、規模、位置はほぼ往時と一緒であるものの、外観が異なっているもの(岐阜城など)をいいます。

模擬天守というのは、規模、位置、外観などが大きく異なる、また、天守がなかったところに建てたもの(郡上八幡城、清州城など)をいいます。

現代のお城の機能から考えると、どんなお城を建てるかは、地域のコンセンサスで決めるべきことになりそうです。

しかし、法律的には、お城の再建という場合、こと史跡指定されているところについては、復元天守でなければならないということになります。

文化財保護法によって、史跡指定されているところについては、現状の変更が制限され、史実に基づく復元しか認められないからです。

最近は、いろいろお城について学び、それこそ土塁と空堀しか残っていない城跡でも、お城として関心をもって見られるようになったので、復元天守ができれば、私は有難く見ることができます。

しかし、一般の人からすると、はたして史実に基づいた復元に最も価値を感じるものなのでしょうか。

郡上八幡城などは、史実とは異なるかたちで建てられた模擬天守ですが、見事に地域の風景にとけ込んで、今となっては、郡上八幡の風景に欠かせないものになっています。

なかなか難しいものです。


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